観光で来る場合は日本のパスポートがあれば、事前の手続きなく90日 (※2025年最新情報) までオンアライバルビザで滞在できるUAE(ドバイ)。しかし、本格的に移住し、長期滞在する場合には条件を満たしたうえで適切なビザを取得する必要があります。また、UAEのビザ情報は種類が多く、情報が錯綜しがちです。本記事ではUAEにおけるビザの種類やその要件などを網羅的に整理・解説していきます。前半では観光客向けの短期ビザ情報を掲載し、後半では長期滞在者用のビザについてを解説します。適宜、必要な項目へスクロールして下さい。
観光客・短期滞在者向けビザ
以下では主にドバイやアブダビを訪れる観光客の方がチェックしておいた方が良いビザ情報をまとめます。
オンアライバルビザ(到着時ビザ)
日本人の観光客にとって最も一般的なビザです。入国前に日本での手続きやUAE現地での特別な手続きは特に必要ありません。オンアライバルビザでは日本人は90日間の滞在が許可されます。以前は観光ビザは30日までで手続きをすれば最大60日まで延長ができる仕組みでしたが、2024年11月ごろより最初から90日間まで滞在できるようになりました。しかし、一度他の国に抜けて再入国することで滞在日数をリセットするいわゆる”ビザラン”ができなくなりました。従って、再入国には適切なビザの取得が必要となります。
なお、領事館ページでは滞在可能日数が90日間に変わったことはまだ明記されていませんが、筆者の現地情報ソースによると90日間に変更されたことは事実のようです。気になる方はUAEのICPサイトでご自身の滞在ステータスをチェックすることをお勧めします。

ツーリストビザ(観光ビザ)
ツーリストビザはビザ取得が免除されている日本人は通常取得できません。しかし、オンアライバルビザの有効期限が切れている(180日間のうち90日間以上滞在済み)場合には申請が可能です。ドバイの移民局サイトであるGDRFA経由にて申請が可能です。若しくはエアライン経由での申請も可能です。このビザの取得には出国時の航空券の事前提示が一般的に求められます。費用は以下になります。
- 30日間のシングルエントリービザ:90米ドル
- 60日間のシングルエントリービザ:177米ドル
長期滞在者向けビザ
以下では長期滞在者にとって必要となるビザの種類・要検討を解説します。
はじめに:UAE(ドバイ)の長期滞在ビザを取得するには目的が必要
UAEは人口の約9割が外国人の移民の国です。これには長年にわたって外国からの投資を呼び込み、労働者を受け入れて発展してきた背景があります。外国人はみな、投資家や起業家、労働者などそれぞれの役割を担うことが期待され、役割に応じたビザがUAEでは発行されます。
コラム:UAEでは長期間滞在すると市民権はもらえる?
一部の国では長期間滞在する場合には市民権や永住権が付与されることがありますが、UAEにはそのような仕組みはありません。これは人口の10%のみを占める国民の特権を維持するためだと言われています。労働者ビザを取得して長年ドバイで勤めている場合においても雇用の終了などでビザが切れた場合には次の雇用主を見つけなければ国を出ることになります。
ビザ取得の流れ
ビザ取得の流れはビザの種類によって変わります。ただし、要件クリア・書類手続き・健康診断・指紋登録を実施した後にビザとエミレーツID(UAEにおける身分証)を受領するという流れは概ね変わりません。UAEの行政手続きはデジタル化が進んでいるため、日本と比べて効率的に進む部分も多いです。
UAEのビザ制度は情報がうまくネット上に整理されていないために複雑に感じます。その背景にはフリーゾーンの存在があります。UAEにはメインランドと呼ばれる一般地域に加えフリーゾーンと呼ばれるビジネス地区が50近く存在します。各フリーゾーンはビザ発給に独自の要件を課していることも多いです。各フリーゾーンが独自の名称でビザを呼んだり、コンサルティング会社ごとに名称を意訳されたりするので、誤った認識をされている方も多いです。適切なビザを取得するには弊社のような現地事情に精通した専門家にご依頼することをお勧めいたします。
1. 就労ビザ(居住ビザ)
労働者として働く際に最も一般的なビザです。雇用主がスポンサーとなり、手続きを行います。オンアライバルビビザで入国後に正式な就労ビザ申請手続きに進むケースもよく見られます。基本的には指示通りに必要な書類を提出し、健康診断等の必要なプロセスに従えば心配はいりません。ただし、ローカル企業の中には適切にビザを発行してくれない場合もあるので現地採用の場合はしっかりフォローをするのが無難です。ビザの有効期間は基本的には2年間です。メインランド企業の場合にはオフィスペースの広さによってビザをスポンサーできる従業員の数が変わってきます。フリーゾーン企業の場合にはプランによってスポンサーできる従業員数が変動します。ビザ費用は状況によって変動しますが、概ね5,000 – 10,000AED(20から40万円 ※1)程度の実費コストがかかってきます。
※1 1AED=40円で計算
扶養家族ビザ
就労ビザの元では各個人が家族をスポンサーすることも可能です。その場合、スポンサーする個人が以下の条件を満たす必要があります。
- 18歳以上
- 最低月給:3,000AED(住居付き)または4,000AED(住居なし)
※両親若しくは義両親をスポンサーする場合には一般的に月給20,000AEDが必要となります。
スポンサー手続きには一人当たり合計2,000-3,000AED程度の政府支払い手数料がかかってきます。
2. 投資家ビザ・パートナービザ
ドバイで法人を設立し、自らが出資者(株主)として経営に関わる場合には「投資家ビザ(Investor Visa)」または「パートナービザ(Partner Visa)」を取得することができます。日本からドバイへの移住者はこの投資家ビザ・パートナービザか不動産を購入してゴールデンビザを取得するパターンが主流です。主に、メインランド企業の設立時には「投資家ビザ」、フリーゾーン企業では「パートナービザ」という呼称が使われることが多いですが、どちらも原則として同じカテゴリーの居住ビザです。
このビザの申請にあたっては、会社設立(ライセンス取得)後、エスタブリッシュメントカード(移民カード)を取得し、本人名義でのビザ申請手続きを行います。パスポートコピー、会社登記書類(MOAやTrade License)、医療検査、エミレーツID登録といった一連の手続きが必要です。
ビザの有効期間は通常2年間で、更新可能です。必要な初期費用は会社設立費用と合わせると概ね約15,000~25,000AED前後が目安ですが、設立するフリーゾーンや手続き代行の有無により変動します。会社の出資割合や役職が明確であることが求められるため、法人設立時の構成に注意が必要です。
この投資家ビザ・パートナービザの場合でも自身がスポンサーとなって配偶者や子どもに扶養家族ビザを発行することもが可能です。
3. ゴールデンビザ
UAEの「ゴールデンビザ」は、最長10年間の長期滞在を可能にする特別なビザで、起業家や投資家、高度専門職などを対象にしています。特に200万AED(約8,000万円)以上の不動産投資や高収入の専門職としての申請が主流で、申請要件は緩和傾向にあります。最大の特徴は、通常のビザと異なり更新の手間が少なく、6か月以上UAEを離れてもビザが無効にならない点です。さらに、家族の帯同も可能で、各種優遇特典も受けられます。一方で、高額な初期投資が必要なケースもあるため、リスクとメリットの見極めが重要です。将来的な移住や資産管理の選択肢としても注目されています。
👉 詳細な取得要件・メリット・申請方法以下の記事で解説しています。
4. フリーランスビザ
UAEでは近年、個人で働く人々を支援する制度として「フリーランスビザ」が整備され、注目を集めています。ドバイでは、ドバイインターネットシティやドバイメディアシティなどの特定フリーゾーンがこのビザを提供しており、特にデザイナーや動画クリエイター、インフルエンサーなどの職種に向けた制度となっています。
ただし、申請可能な職種が限定されており、例えばビジネス系・コンサル系・マーケ系の職種では却下されることも多く、実際には誰にでも使いやすいビザとは言えません。また、まれに他社のビザ枠を用いて就労許可を得る“フリーランスビザ”と称するサービスも存在しますが、これは合法ではなく、将来的なリスクが高いため避けるべきです。
制度を正しく理解し、適切な職種・条件の下で取得することが重要です。
5. バーチャルワークビザ
ドバイでは、海外の企業に勤めたままUAE国内で居住・生活することを可能にする「バーチャルワークビザ」が提供されています。これは、世界中からのリモートワーカーやデジタルノマドの誘致を目的とした制度で、1年間の滞在が可能です(更新可)。
主な申請条件としては、(1)雇用主との在籍証明、(2)月収3,500ドル以上、(3)海外での雇用契約書や給与明細の提出などが求められます。
一見すると門戸が広く感じられるビザですが、実際には世界的に知名度のある大手企業に所属していないと承認されにくい傾向があります。フリーランスに近い働き方や、従業員数の少ないスタートアップ・小規模企業の従業員では審査を通過しづらいのが実情です。
このビザを取得すれば、ドバイで住居を借りたり、銀行口座を開設したりすることも可能になりますが、UAE国内の企業に転職して働くことは認められていないため、現地就労を目的とした利用には適していません。
6. 学生ビザ
ドバイの大学に通う外国人学生向けのビザです。大学と連携しながら申請を進める方法が一般的です。申請には以下が必要です。
- 大学の入学許可書
- 健康診断合格証明書
- スポンサー(大学または親族)
- ドバイ居住外国人庁(GDRFA)の承認
ビザの有効期限は1年間で、更新可能です。ドバイでは18歳以上の男性は親がスポンサーすることができませんが学生の場合は大学に在籍している場合に限り25歳まで親がスポンサー可能です。女性は年齢に関わらず結婚するまで親のビザで滞在可能です。
7. 不動産投資ビザ
ドバイで100万AED(日本円で4000万円相当)以上の不動産を所有している場合、不動産投資家向けのビザを申請できます。ただし、対象となる不動産はローン支払い済みである必要があります。
- 100万AED以上の不動産所有者:2年間の滞在ビザ(更新可)
- 500万AED以上の不動産所有者:5年間の滞在ビザ(更新可)
- 1000万AED以上の投資(不動産割合60%以下):10年間の滞在ビザ(更新可)
申請には、パスポートのコピー、権利書をドバイ経済開発局(DED)に提出し、ドバイ土地局(DLD)の承認を得る必要があります。その後、貿易ライセンスを取得し、入国管理局でビザを発行できます。
このビザは要件が頻繁に変わるので真剣にご検討される際は弊社のような専門家にご相談されることをお勧めします。また、不動産取得をきっかけとしてビザを取得する場合にはゴールデンビザの方が条件が良いため人気です。
まとめ
ドバイのビザ制度は多様で、目的に応じて適切なビザを選ぶことが重要です。ビザの条件や規定は変更される可能性があるため、渡航前に最新情報を確認し、必要に応じて事前に専門家に相談することが大切です。