2025年最新:ドバイ(UAE)のVAT(付加価値税)の概要・手続き・罰則を徹底解説

はじめに

UAE(ドバイ)では、2018年に5%の付加価値税(VAT)が導入されました。VATは日本の消費税に当たるような税金であり、VAT登録事業者は商品サービスの値段に税金分の5%を上乗せする必要があります。UAEは税務申告を正しく行えなかった場合のペナルティも大きい国ですので、VATを含む税務の正確な理解は非常に重要です。本記事では、ドバイにおけるVATの基本情報から、登録義務、申告方法、還付制度までを詳しく解説していきます。

UAE(ドバイ)におけるVAT(付加価値税)とは

VATは、商品やサービスに課される税金であり、日本の消費税と似た性質を持っています。ドバイでは、消費者が最終的に負担する間接税として位置付けられており、物品やサービスを提供する各段階で税金が課されます。事業者は、消費者からVATを徴収し、その額を連邦税務局(FTA)に申告・納付します。逆に、事業者が商品やサービスを仕入れる際に支払ったVATを控除し、最終的に納めるべき税額を算出します。簡単に説明すると、企業が自分で払った税金を引いて、最終的に足りない分だけを納める仕組みです。

ドバイでビジネスを行う上で発生する税金の外観や2023年6月より導入された法人税については以下の記事をご参照ください。

VATの登録義務について

ドバイでは、一定の売上規模を超える事業者に対してVATの登録義務が課せられています。
登録を行った事業者は、四半期ごとに確定申告を行う必要があります。

登録義務の基準
以下のいずれかの条件を満たす事業者は、VAT登録を行う義務があります:

  • 過去12か月間の売上がAED 375,000(約1,500万円)を超えた場合
  • 今後30日間での12ヶ月間の売上予想がAED 375,000(約1,500万円)を超える場合

登録タイミング
売上が上記の基準を超えた場合、その日から30日以内にVAT登録を行う必要があります。

登録後の義務

登録した事業者は、顧客からVATを徴収する義務があります。一方でVAT登録をしていない事業者は、VATを徴収することができません。

VATの任意登録制度

売上若しくは費用の合計が過去12か月若しくは今後30日間でAED 187,500(約750万円)を超える場合、任意でVAT登録を行うことができます。任意登録のメリットには、過去に支払ったVATの還付請求が可能となる点や、税務手続きに早めに対応できる点が挙げられます。ただし、四半期ごとの申告義務が発生し、申告ミスを犯した場合にはペナルティが課せられるリスクもあります。義務登録と異なり任意登録の場合は費用も閾値計算に使えることが特徴ですが、売上が全くない段階で任意登録を行うことはできません。

VATの確定申告

VATの確定申告は四半期ごとに行う必要があり、申請には売上請求書や仕入れ請求書、輸出入に関する書類などが求められます。税務署からの監査に備えるため、請求書の詳細や受け取ったVAT額、支払ったVAT額などを記録した帳簿を整備しておくことが重要です。申告の期限は対象期間の翌月28日までで、この期限内に納付すべきVAT額を連邦税務局に支払わなければなりません。もし申告や納税が遅れた場合、ペナルティが課せられる可能性があるため、正確に確認することが大切です。

VATの還付について

VAT還付とは、事業者が仕入れで支払ったVATが消費者から徴収したVATを上回った場合に、支払い超過分が返金される仕組みです。還付を受けるためには、確定申告を通じて連邦税務局(FTA)に申請を行います。例えば、高額な仕入れを行った際などに、支払ったVATの方が消費者から徴収したVATよりも多くなることがあり、この場合はVAT還付を受けることができます。また、任意登録を行っている事業者は、登録前に支払ったVATの還付を請求することも可能です。なお、還付申請を行った場合には後述の当局からの監査(税務調査)を受ける可能性が高まるため申請は慎重に行う必要があります。

ドバイにおけるVATの連邦税務局(FTA)監査

UAE(ドバイ)では、VAT申告は連邦税務局(FTA)が管轄しており、企業には監査(税務調査)が行われることがあります。監査では、請求書が正しく発行されているか、適切なVATが課税されているかが確認されます。もし誤った申告が行われていた場合、ペナルティが課せられることもあります。税務監査は、企業が課税事業者として責任を果たしているかどうかを評価するために実施され、税法が遵守されているか、申告・納付が適切に行われているかが確認されます。監査通知後、5営業日以内に求められる必要書類を提出する必要があるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。

フリーゾーンにおけるVAT

UAEのVAT法にはフリーゾーンに関する明確な規定はないものの、「指定フリーゾーン(designated freezone)」においては、VATの適用が免除されることがあります。指定フリーゾーンには、Jebel Ali FreezoneやDubai Airport Freezoneなどが含まれます。これらのゾーンでは、特定の規制やセキュリティ、税関管理が行われており、一定の条件下でVATが免除されますが、UAE本土と指定ゾーン間で商品の移動がある場合、取引にはVATが課せられることもあります。指定フリーゾーンでの取引には特に注意が必要です。

VAT関連のペナルティや罰金

VATに関連する主なペナルティと罰金の種類を以下にまとめました:

  • VAT登録遅延
    罰金額: 10,000 AED
    登録期限を超えて申請しない場合に発生します。
  • VAT確定申告遅延
    罰金額: 初回1,000 AED、再発時2,000 AED
    申告期限を過ぎて申告しなかった場合に適用されます。
  • 誤ったVAT申告
    罰金額: 初回3,000 AED、再発時5,000 AED
    誤った税申告を提出した場合に発生します。
  • 帳簿記録の不備
    罰金額: 初回10,000 AED、再発時50,000 AED
    必要な帳簿を管理しなかった場合に発生します。

まとめ

ドバイにおけるVAT制度は、事業者にとって重要な税務義務です。正しい手続きと適切な申告を行うことで、罰金や不必要なコストを回避することができます。ドバイでの事業運営をスムーズに進めるためには、税務の専門家と連携し、最新の情報をキャッチアップすることが欠かせません。

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