【2025年最新】ドバイは税金がない?進出時に検討が必要な税務を解説

タックスヘイブンなどとして知られ、税金対策での個人や投資家の移住も増えているドバイですが、果たして本当に税金はないのでしょうか。結論としてはドバイは完全に無税ではありません。個人に対する税金は免除されているものが多い一方で、ビジネス活動を行う場合にはいくつかの税金がかかってきます。この記事では法人がドバイに進出するうえでの税務検討事項を解説します。

事業活動を行う上で論点となる税金

法人税

UAEでは2023年6月より法人税法が施行され始めました。これにより、基本的には法人はAED375,000の基礎控除額を超える課税所得に対しては9%の法人税が課されます。個人事業主のような形態で事業を行っている場合でもビジネス活動からの所得として同様に課税されます。フリーゾーンと呼ばれる経済特区に設立された一部の法人であれば法人税が0%になりますが、一定の条件を満たしている必要があります。また、年間売上が7億5千万ユーロ(日本円で約1,200億円)を超える多国籍企業は2025年以降の課税年度では15%の法人税が課されます。UAEの法人税に関してはより詳しく解説している以下の記事をご参照ください。

VAT(付加価値税)

UAEでは2018年1月よりVAT(Value added tax)が導入されています。VATは日本の消費税と似たような税金で最終消費者が5%の税率を負担します。法人は顧客から受領したVATと自ら支払ったVATの差額を当局に収めます。1年間の売上がAED375,000を超える法人はVAT登録という手続きを行う必要があります。VAT登録後から請求にVATを上乗せすることができるようになります。逆に登録前はVATを請求することはできません。VATに関しても以下の記事で詳しく解説しています。

関税

UAEの関税制度では、原則として関税率はCIF価格(商品価格・保険・運賃の合計)の5%ですが、アルコールは50%、たばこは100%の関税が課されます。また、食料品を中心とした53品目は免除されます。関税免除の適用には書類手続きが重要です。知見のある業者に依頼することが推奨されます。また、他のGCC諸国からの製品は関税免除の対象となります。

※GCC諸国・・・湾岸協力会議。オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、UAE の 6 ヵ国で構成

各品目の関税率についてはJETROの次の記事が参考になります。

源泉所得税

源泉税は国内事業者が非居住所へ商品・サービス対価や配当金や給与を支払う際にその一定の割合を税金として納める制度ですが、UAEにおいてはまだ導入されていません。源泉税の概念はあるものの0%の税率が適用されています。例えば、UAE当局から見たら非居住所である日本の企業がUAEの企業に対してサービスを提供したとします。その際にUAEの企業が日本の企業へ支払うサービス対価には源泉所得税は課税されません。一方で、日本の事業者がUAE企業に対してサービス対価や配当金を支払う場合には源泉税を支払わなければいけないこともあるので、確認が必要です。また、源泉税の金額は二国間の租税条約によって軽減されることもあります。ただし、軽減税率を適用するには日本側で事前の申請が必要になります。UAE・日本間の租税条約については以下の公式資料をご参照ください

日本の消費税

今まではUAE当局に徴税権がある項目についてみてきましたが場合によっては日本政府が徴税権がある項目についても確認する必要があります。

例えば、日本の会社と取引をする場合にはUAEのVATだけではなく、場合によっては日本の消費税も考慮が必要です。「国内取引に該当するか」「最終消費地は日本か海外か」「電子通信利用役務の提供に該当」するかという観点などが重要です。特に電子通信利用役務の提供に該当するかは注意が必要です。例えば、UAEからインターネットを通じてサービスを日本に提供する場合などが該当します。BtoB取引の場合には日本の取引先に消費税納付を依頼する必要性があり、この納税方法はリバースチャージメカニズムと呼ばれます。さらに、BtoC取引の場合には日本の消費者から消費税を徴収し、UAE企業から日本の国税に納税する必要があります。これらのポイントはローカルの会計事務所などでは見逃されがちですのでご注意ください。

個人に対して課される税金

これまで、主に法人や事業主に対して課される税金を見てきましたが、個人に課される税金にはどのようなものがあるのでしょうか。

日本で個人に課せられる税金の多くは免除される

UAE法では基本的にイスラム法に基づいたものが多いです。イスラム法では相続税や贈与税の概念がないため、UAEにおいてもこれらの税金はありません。また、個人所得税にも課税がなく日本でいう住民税や社会保険料等の負担もないため、個人の給料は基本的に額面通りの金額がそのまま手取りになります。

その他、固定資産税や自動車税等、そして投資益に対するキャピタルゲイン課税の負担もないため個人にとっては税負担がかなり少ないです。これらの税制優遇策により、世界各国の高給取りや富裕層が好んでドバイに移住しています。

物やサービスの購入や取引に際して支払いが必要になる税金

そのほかの税金には以下のようなものがあります。

物品税として以下品目に課税

たばこ製品 (100%)
電子たばこ (100%)
炭酸飲料 (50%)
エナジードリンク (100%)
酒類 (50%)

その他の税金

レストランやホテルなどの観光施設の利用料(7%)
アパートの家賃(5%)
不動産取引登録料(購入価格の4%)

ドバイ(UAE)の税金制度を活用するうえでのデメリットはある?

UAEは依然として法人の税負担は比較的少ないといえますが、その背景には高額な法人設立費用やビザ費用の存在があります。法人設立には数十万円から数百万円を支払ってライセンスを取得する必要があり、基本的には毎年更新をする必要があります。ビザも同様に定期的な更新が必要です。ドバイで法人を設立・維持するにはこれらの隠れたコストがあることも把握しておく必要があります。ドバイ・UAEでの法人設立に関する詳細は以下の記事にまとめてあります。

まとめ

ドバイは「無税」と思われがちですが、法人税・VAT・関税など、事業活動にはさまざまな税負担が発生します。一方で、個人所得税や相続税はなく、税制のメリットを活かした資産形成が可能です。ドバイでの法人設立や税務戦略には、現地の法規制を正しく理解することが重要です。

弊社では、ドバイでの法人設立や税務対応に関する無料相談を実施しています。ビジネスの成功をサポートするために、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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