今回は日本人がドバイで働くのは可能なのか、どのような職種の募集が多いのか、年収水準はどれくらいなのかというトピックをカバーできればと考えています。
はじめに:ドバイにいる日本人の属性
2025年現在、ドバイには約3500人の日本人が住んでいます。筆者自身が実際に住んで得た知見やデータから、日本人の属性を大まかに分類してみます。
駐在員とその家族:2000人
まず、駐在員ですが、ドバイにある日系企業は約400社です。中東地域の支店や駐在員事務所は規模が小さく、駐在員の数は1〜5人に限られることが多いです。仮に2.5人として計算すると、約1000人が駐在員で、その家族が1人ずついると仮定すると、駐在員とその家族で約2000人となります。
キャビンクルー(CA):500人
次に、エミレーツ航空やその他の航空会社を併せて約500人の日本人キャビンクルーがいると言われています。
日系企業の現地採用とその家族:300人
日系企業の現地採用は200人程度と予想します。家族連れを考慮すると合計で約300人になるでしょう。事務職などとは別に日本食レストランで働いている方々などが該当します。
外資企業の現地採用とその家族:400人
外資企業の現地採用は約300人、家族連れも含めると100人程度と予想します。不動産会社で働いている方や外資飲食店やホテル等で働かれている方が該当します。
その他:300人
最後に、会社経営や節税目的、子の教育や留学などの目的などで移住している人などが約300人程度と思われます。
以上を合わせると、だいたい上記のような構成で3500人くらいになるのではないかと考えられます。
ドバイで働くには待遇の良い駐在員になるのが一番の王道ですが、駐在員になるには非常に狭い門を通過する必要があります。したがって、その他の選択肢としては日系企業や外資系企業の現地採用も視野に入ってくると思います。
属性ごとの年収レンジ
以下は大まかに属性ごとの年収レンジをまとめてみました。それぞれの就職方法を取った時にどれくらいの給料が見込まれるかの参考にしてもらえれば幸いです。基本的に日本人の採用市場では前職の給与が概ね基準になることや例外も多くあることはご了承ください。
駐在員
駐在員は多くの場合、住居が支給されることや運転手が付きます。また、家族がいれば教育費も支給されることが多いです。昨今の家賃の高さを加味すると実質的な年収は1300万円~と言えるでしょう。商社の地域統括部長クラスであれば4000〜5000万円を超えることもあります。
CA
食事や住環境も提供されるため、それらと手取りを合わせたキャビンクルーの実質年収は700〜1000万円ほどと言われています。
日系企業現地採用
事務職などのオフィスジョブでは400万円から800万円くらいの年収レンジになることが多いです。駐在員ほどではありませんが、ローカルの会社よりは福利厚生は良い傾向にあります。ただし、年収の上り幅はあまり大きくないことが一般的です。
ホテルや飲食店などのサービス業では月25万円程度の給料も時に目にします。社宅の無償提供がない場合、ドバイで生活するにはあまり余裕のない給料となります。
(コラム:インターンは条件を要チェック)
注意すべきは、手当付きの「インターン」です。週6日の労働でありながらも、手当は月10万円以下と低く、社宅は砂漠の中にあるような場所にある。という話も聞きます。力は付くとは思いますが、蓋を開けてみたら思ったより待遇が悪かったということもありますので事前によく確認が必要です。
外資系現地採用
こちらの給料は本当にピンキリです。出稼ぎ労働者たちと同じ条件で働くのであれば、月給10万円程度で働くこともあり得ます。ただし、出世して役職持ちとなったり、不動産営業など歩合制の仕事で青天井の給料を受け取ることも可能です。歩合制の仕事は基本給があまり高くないかゼロであることもあります。
新卒でドバイに現地採用はできる?
新卒でドバイに現地採用されることは不可能ではありませんが、一般的な日本で教育を受けた人を想定すると、日本の採用サイトでかろうじて求人を見つけることのできるサービス業に限られる可能性が高いです。
ドバイでの転職活動の特徴
以下に、ドバイでの転職活動の特徴を挙げます。
- 面接回数が少ない: 面接は1~2回で終わることが多いです。解雇が比較的容易なため、とりあえず採用して実力を試すという会社が少なくないのが現実です。面接での多少のブラフは問題ないと思いますが、やりすぎた嘘は禁物です。
- 給料交渉のチャンス: ドバイでは給料を公開できない契約が一般的なため、前職の給料を聞かれても、言わないという選択肢も一般的。交渉次第で自分の望む給料が手に入る可能性もあります。ただし、日本からの転職の場合、日本人を多く採用している会社では給料を聞かれることが多いです。
- 外国人労働者が支える市場: ドバイでは外国人労働者が一般企業を支えており、海外からの人材にも多くのチャンスが提供されています。ビザ審査は先進国の中ではかなり緩いほうだと思います。また、全国民のうち10%未満の自国民(通称”エミラティ”)は基本的に公務員になります。従って、国民と移民と仕事を取り合うという構図はUAEでは見られません。
- 実力主義の側面: 人種によって給料が決まることが多いですが、実力があれば大きく成功するチャンスもあります。例えば、優秀なインド人が数千万円以上の収入を得ていることも少なくありません。
ドバイ就職のメリット
ドバイで就職することには多くのメリットがあります。
- 超インターナショナルな環境: ドバイの人口の約9割は世界から集まってきた外国人です。多国籍な環境の中で国際感覚を磨くことができ、英語が流暢でなくても多くの人が親切に対応してくれます。
- 世界一が集まる刺激的な環境: 世界最大のビルや噴水、最速のパトカー、最深のダイビングプールなど、ドバイは世界一が集まる街であり、日ごろから多くの刺激を受けることができます。
- 治安の良さ: ドバイは厳しい法律と取り締まりがあり、UAEは2024年の「Numbeo」調査で世界で2番目に犯罪率が低い国とされています。
- 個人所得税が無税: ドバイでは個人所得税がなく、額面の給料がそのまま手取りとなります。健康保険の会社負担や退職金の支給が会社に義務付けられている点も魅力です。
ドバイ就職のデメリット
- 格差社会: 国籍によって給料が異なることがあり、同僚との収入格差に違和感を感じる方も少なくありません。
- 英語環境: ドバイでは英語が共通言語ですが、ネイティブスピーカーは少ないため、綺麗な英語を身につけたい人には向いていないかもしれません。
- 永住権がない: UAEには永住権の制度がなく、良くも悪くも理由がなければ住めない国です。一方で、投資家ビザや不動産投資により10年間のゴールデンビザを付与する制度などもあります。
- 自己責任の環境: 現地採用等の形態で就職する場合、会社から守られているという感覚はあまり得られないと思います。給料未払いや即日解雇などのリスクも伴います。
- 日本の労働文化との違い: 日本の常識が通用しないことが多く、締切の感覚や働き方の違いに悩むこともあります。
- 高い家賃: 他の先進国の都市と同様にドバイの家賃は非常に高く、日本人であっても多くの人がシェアハウス等で生活しています。
ドバイでの就職に特化したエージェントはある?
ドバイでの就職に特化したエージェントや転職サイトを利用することは、現地での仕事を探す際に非常に有効な手段です。しかし、日本国内の転職サイトでは、ドバイの求人はあまり多く見つけられず、見つかったとしてもホテル業や飲食業などのサービス業が中心です。
ただし、日本の転職サイトやエージェントにオフィスジョブの求人が全くないわけではありません。運次第ではありますが、たまにドバイの求人は見つかります。
オフィスジョブでの転職を目指しているならば、現地のエージェントや転職サイトを活用するのも選択肢に入ってきます。エージェントとしては本当にドバイで働く意思がある人間にしか時間を割けないので、単に登録するだけでなく、自分の熱意やスキルをしっかりとアピールすることが重要です。
現地のエージェントや転職サイトには数多くの求人がありますが、日本人に向いているものは少なく、給与が明記されていないことも多いです。例えば、「japanese」というキーワードで検索しても、ほとんど求人はヒットしません。そのため、どの求人が日本人向けなのかを見極めることは難しいです。現地のジョブマーケットをよく理解しているエージェントと直接話しながら進めていくのが理想的だと思います。
本サイトにて掲載中の求人について
弊社ではUAE・ドバイでの求人を扱っており、紹介が可能です。気になる方はこちらのページをご覧ください。
ドバイの採用市場の特徴
ドバイではインド人やフィリピン人など、英語が堪能で比較的低賃金で働く労働者が多く、日本人を雇う理由が明確でなければ、採用されるチャンスは限られます。自分の強みをしっかりとアピールし、なぜ自分が適任なのかを常に考えておくことが重要です。
まとめ
ドバイにフォーカスして日本人が働く場合の検討事項を整理してみました。何らかの形で皆さんの参考になれば幸いです。
さらに、日本人の採用・並びにローカルな人材の採用を検討している法人様からのお問合せもお待ちしております。弊社は日系人材会社やローカル人材会社との提携があり貴社の採用活動をサポートすることが可能です。急遽人材が必要となるような場合にも人材派遣などで対応することも考えられますのでお気軽にご連絡ください。




