【完全ガイド】ドバイ(UAE)法人税|0%活用・ペナルティ回避・最新15%課税対応まで

2023年6月からUAEでも法人税が導入され、日系企業やフリーゾーン企業も原則申告義務があります。
本記事では「0%をどう維持するか」「違反した場合のペナルティ」「2025年から始まる15%課税」まで、
経営者・会計担当が絶対押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

✅ UAE法人税の結論ざっくりまとめ

  • 基本税率:課税所得375,000AED(約1500万円)超部分に9%
  • 年間売上3百万AED(約1億2000万円)以下:2026年まで暫定免除
  • フリーゾーン企業:条件次第で0%(ただし申告・監査必要)
  • 大企業(売上1200億円超):2025年から15%課税

📊 法人税適用条件・税率比較(2025年版)

区分 適用条件 税率
基本法人税 課税所得375,000 AED超部分 9%
小規模ビジネス救済制度(Small Business Relief) 年間売上が3百万 AED以下(2026年12月末まで適用) 0%
フリーゾーン企業(Qualifying) 登録・監査済財務諸表提出・特定の活動 0%
フリーゾーン企業(Non-Qualifying) 条件を満たさない場合 9%
グローバル・ミニマム課税対象 売上1200億円超の多国籍企業(過去4年で2回該当) 15%

ドバイ(UAE)における法人税の概要

2023年6月より、UAEでは法人税が導入され、全ての企業が申告義務を負うことになりました。基本税率は9%で、課税所得が375,000AED未満の場合は0%が適用されます。また、年間売上が3百万AED以下の企業は一定期間法人税の支払いが免除される措置が取られています。

法人税は課税所得が375,000 AEDを超える場合、その超過部分に9%の税率が適用されます。

※1AEDは約40円(2025年7月時点)

具体例

企業Aの年間売上が1,000,000 AED、損金算入できる費用が500,000 AEDだった場合、課税所得は500,000 AEDとなります。この場合、375,000 AEDを超える125,000 AEDが課税対象となります。

  • 売上: 1,000,000 AED
  • 損金算入できる費用: 500,000 AED
  • 課税所得: 500,000 AED
  • 375,000 AEDを超える部分: 125,000 AED
  • 課税額: 125,000 AED × 9% = 11,250 AED

このように、課税所得全額ではなく、超過分に対してのみ法人税が課されます。

ドバイ(UAE)で法人税が適用される企業

基本的に全ての法人が法人税の対象となりますが、特定の業種や規模の企業には免税措置が適用される場合があります。

主な法人税免除の条件

  • 課税所得が375,000 AED未満の企業(申告は必要)
  • 年間売上が3百万 AED未満の小規模事業者(2026年12月31日までの優遇措置対象)
  • 一部の政府機関(公共利益を理由に免除)
  • フリーゾーン企業(特定の活動を行う場合、税率0%が適用。ただし申告および監査済み財務諸表の提出・移転価格書類の整備が必要)

勘違いされていることも多いですが、法人税が免除される場合でも、企業は適切な申告を行う必要があります。仮に申告をしなかった場合、後述の罰金を科せられるのでご注意ください。

フリーゾーン企業で税率0%が適用される条件に付いては以下の記事で詳しく解説しています。

UAEでの法人税関連の手続き

法人税の申告は一般的に以下の流れで実施されます。別の税金であるVAT(付加価値税)とは異なる手続きですので混同しないようにご注意ください。

法人税の手続きフロー

  1. 法人税登録
    • 全企業が登録義務を負い、Federal Tax Authority(FTA)の「EmaraTax」にて登録を行います。
    • 法人設立から3か月以内の登録が必要です。
  2. 会計帳簿の作成
    • 国際会計基準(IFRS)に基づいた財務諸表を作成し、フリーゾーン企業として法人税0%の免税制度を申請する場合には外部監査を受ける必要があります。
  3. 確定申告フォームの提出
    • 事業年度終了後9ヶ月以内に、FTAのプラットフォームを通じて申告を行います。
    • (例)2024年12月末に会計年度が終了の場合は2025年9月末までの申告が必要。
  4. 法人税の納付
    • 申告と同じく、事業年度終了後9ヶ月以内に納税が求められます。

法人税関連の罰則・ペナルティ

UAE財務省は法人税に関する違反に対して、厳格な罰則を定めています。

例えば、企業は税法に基づく必要な記録や関連情報を適切に保存し、必要に応じて当局に提出しなければなりません。記録の保存を怠った場合、違反ごとに10,000AEDの罰金が科され、再犯が発生すると1件につき20,000AEDの罰金が課せられます。

また、法人税申告を期限内に行えなかった場合、遅延した月毎に罰則が積み上がり、最初の12か月は毎月500AED、13か月目以降は毎月1,000AEDと罰金が科されます。

(2025年最新)UAEにおける法人税15%の導入について

UAE(アラブ首長国連邦)は、2025年1月1日から、売上が約1200億円以上の大手多国籍企業に対して、15%の最低追加課税(DMTT)を導入します。これは、OECD(経済協力開発機構)が提案したグローバルミニマム課税合意に基づくもので、税逃れを防ぐための取り組みです。この課税は、企業が過去4年間のうち2回以上、7億5千万ユーロ(約1,200億円)以上のグローバル収益を得ている場合に適用されます。フリーゾーン企業にも15%の課税がなされます。15%が適用される場合の税申告方法などについては、まだ詳細が明らかにされていない部分が多いため、該当する企業は今後のアップデートを注視する必要があります。

❓よくある質問(FAQ)

UAEでは個人の所得税は本当にないの?

2023年6月から法人税が導入されましたが、個人の所得税は引き続き存在しません。
また、相続税や株の売却益などにかかるキャピタルゲイン課税もないため、UAEは世界的に見ても税制優遇の大きい国とされています。

役員報酬を増やせば法人税は減らせる?

理論上は経費を増やして利益を減らすことが考えられますが、役員報酬は「関係者への支払い」とされるため、市場価格より明らかに高額だと税務上経費として認められない可能性があります。

移転価格税制とは? 日系企業が特に注意すべき点は?

日本の親会社とUAE子会社間の取引価格は適正である必要があります。
特に年間収益が2億ディルハム(約80億円)を超える企業には、「ローカルファイル」「マスターファイル」といった資料の作成が義務付けられており、取引の妥当性を税務当局に説明する必要があります。

駐在員事務所なら法人税はかからないの?

駐在員事務所(Representative Office)は、PE(Permanent Establishment:恒久的施設)に該当しなければ原則として法人税の対象外です。
ただし、営業や契約締結などの収益活動を行うとPEと認定され課税対象になる可能性があります。進出の際は必ず専門家に相談することが重要です。

こうした法人税対応は、日本の税制と異なる部分が多いため、企業が適切に準備をしないと、思わぬ課税リスクを抱えることになります。特に、UAEと日本の両国の税制に精通した専門の会計士やコンサルタントに相談することが重要です。UAEに進出する際には税務リスクを事前に確認し、適切な対策を取ることが重要です。

テグリティコンサルティングからのご案内

UAE法人税は制度が新しく、適用条件や免税制度、移転価格対応など専門的な知識が求められる分野です。
テグリティコンサルティングでは、日本語・英語対応のコンサルタントがUAE・日本双方の税制に精通したサポートを提供。
初めての法人税申告、フリーゾーンでの0%適用判断、移転価格文書作成など、お客様の状況に合わせた最適なプランを提案します。

✔ UAE法人税登録・申告代行
✔ 免税要件アセスメント
✔ 移転価格文書(ローカルファイル・マスターファイル)作成支援

「何から始めればいいか分からない」という方も、まずは無料相談でお気軽にお問い合わせください。

まとめ

UAEでは法人税制度が導入され、全企業が適切な申告・納税を行う必要があります。課税対象企業や適用免除の条件、申告手続きについて正しく理解し、期限内に対応することが重要です。法人税の制度は今後も変動する可能性があるため、最新情報を常にチェックし、適切な対応を行いましょう。

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